辰野しずか氏のポップアップイベント TAKEOFF-SITE

 東京立川のショップ「TAKEOFF-SITE」は4月1日~5月31日、プロダクトデザイナー辰野しずか氏のポップアップイベントを開催している。
 辰野氏は英大学プロダクト&家具科を卒業、2011年に独立。17年に自身のスタジオを法人化した。生活雑貨関連品のプロダクトデザインを中心に、企画からディレクション、付随するグラフィックデザインと幅広く手掛ける。
 会場には陶磁器、ガラス食器、アクセサリーなど6社17種の商品が一堂に会する。同氏が初めて陶磁器類を手掛けた備前焼のウォーターカラフェ「hiiro」(DAIKURA)は、緋襷(ひだすき)の入ったグレーとベージュの2色。備前焼水瓶の水がまろやかになるとのいわれから作り上げた。「KORAI」は、シンガポールと東京から日本の工芸にまつわる事業を行うHULSのオリジナルブランド。白化粧の京焼のカップとカラフェ「HITSU」(熊谷聡商店)、有田焼のプレート類「TAMARI」(藤巻製陶)、富山ガラスの食器類や金属のペーパーウェイトなどから構成される。
 有田焼「mg&gk」(もぐとごく、篠原渓山)は、淡く優しい色合いの小紋柄のプレートとマグのシリーズ。焼成するまで誤りなく柄が描けているか目視できないほど呉須を薄めた一品。薩摩びーどろ工芸の「glad.」は、色ガラスを厚く被せ、カットの深さや幅でカラーグラデーションを出したタンブラーで、全6アイテムをラインアップ。このほか琉球ガラスをアップサイクルしたアクセサリー「Ryu Kyu Iro 」(ゆいまーる沖縄)、箔を水で身体に貼り付けるアクセサリー「HAQUA」もならぶ。
 「来店客は家族連れ、女性同士が多い。心が休まらない時代に、辰野氏の静かで凛とした世界観を感じてほしいと企画した」とスタッフは話す。同店は複合施設グリーンスプリングス内に位置し、立飛ストラテジーラボからの委託を受けて地元の福永紙工が企画・運営。クリエーティブなものづくりに取り組む企業や、アーティストなどを中心に扱う。辰野氏とは、緩衝材から着想したインテリアにもなる紙「948(クシャ)」で協業している。