4~5月に全国で開かれる春恒例の陶器祭りは、一部を除いて多くが中止・延期となってしまったが、その代替として今、陶産地主催のオンライン陶器祭りが繰り広げられている。
今回2回目となる「Web有田陶器市」は、163社が1万8千点以上を繰り広げる規模で開催。4月29日~5月5日の期間限定で催されている。サイトには3ブロックに分かれた有田町マップを掲載しており、実際の有田陶器市を散策するように、そこから各社の販売サイトへアクセスして買い物する。
有田焼と同じ佐賀県内の唐津焼産地でも4月29日~5月5日、「オンライン唐津やきもん祭り」が開催。陶芸家の対談などのライブ映像を配信する企画も展開している。リアル会場企画もあり、旧唐津銀行で31窯元が「茶の湯」をテーマに新作を展示している。
オンライン開催に積極的な益子焼産地は、今回で3回目の「益子Web陶器市」を4月29日~5月9日に開催し、220の窯元、販売店、作家が参加。5月2日と5日には「窯出し」を行い、「焼き立て」の陶器を販売する企画も展開している。
美濃焼産地では今年、3つの産地主催のオンライン陶器祭りが繰り広げられている。いずれも初開催だ。一つは「たじみ陶器まつりオンライン」で、4月10日~5月9日までの1カ月間展開されている。これは4月10、11日に会場での陶器祭りも無事開催した「たじみ陶器まつり」のオンライン版で、送料無料(一部例外あり)の特典も付けている。一方で今年はオンラインのみの開催を決めた「春の土岐市美濃焼祭り 水辺の陶器マルシェ」が4月17~5月10日に開催されている。当初は4月30日までの開催だったところ、好評のため会期を延長しての開催となっている。さらに有田陶器市とともに日本三大陶器祭りと称される「土岐美濃焼まつり」も今年はWeb版を開催。織部ヒルズ(土岐美濃焼卸団地)内各社による「web土岐美濃焼祭り」が4月28日~5月31日に開催されている。各ショップでは一押しの商品をクローズアップするほか、日替わり商品もアピールしている。
萩焼産地では5月1~31日の1カ月「萩焼まつり オンライン販売」を開催している。萩焼産地では例年、「萩焼まつり」が萩市民体育館をメイン会場に開催されているが、今年はそれが中止となったため、市内30の窯元や店舗を会場と見立てて5月1~5日に開催。それと併せてオンライン販売も実施している形だ。
砥部焼産地では、4月29日~5月16日の会期で「砥部焼オンライン陶器市」を開催。砥部焼協同組合傘下の50窯が500種のラインアップを販売している。
このほか、陶産地主催ではない関連団体や企業によるオンライン陶器祭りも多数開催されている。やきものファンにとって、スマホやパソコンから目が離せないゴールデンウイークとなりそうだ。