大堀相馬焼800点を展示販売 なみえの技・なりわい館

 

 大堀相馬焼協同組合(小野田利治理事長)は3月20日、「なみえの技・なりわい館」(福島県双葉郡浪江町幾世橋知命寺60、道の駅なみえ敷地内)に、組合展示販売スペースなどをオープンした。
 大堀相馬焼組合の拠点施設として、組合事務所、窯場、陶芸体験コーナー、販売コーナーを新築完成した「なみえの技・なりわい館」(平屋建て、約900平方メートル)に設けた。2011年の東日本大震災および原発事故以来の、故郷への帰還。小野田理事長は「情報発信、後継者の育成と、課題は山積するが、ようやく居場所、拠り所ができた」と安どする。展示スペースでは、福島県内各地に避難、それぞれの場所で再建し活動している組合傘下9窯元(震災前23窯元)の作品約800点を販売するほか、陶芸体験指導は当面土日のいずれかに、各窯元が交代で当たるという。
 「道の駅なみえ」は、常磐自動車道浪江ICから車で約10分、また20年3月、9年ぶりに運転再開したJR常磐線の浪江駅から1.2キロに位置、3万5千平方メートルの敷地内に国・県・町が整備した。同町の復興のシンボルとしてフードコート、ベーカリー、産地直売所を備えた地域振興施設の本館として20年夏に先行開業した。西隣の「なりわい館」には大堀相馬だけでなく、津波で被災し避難していた老舗酒造メーカーも入居、酒蔵も備える。さらに同日、本館内に無印良品も開店し、「道の駅なみえ」は全面グランドオープンを迎えた。
 震災の翌年、組合は福島県二本松市に仮設「陶芸の杜おおぼり二本松工房」を設けたが、浪江町内での拠点再開を悲願としてきた。17年同町の一部で避難指示が解除されるも大堀地区はいまだ避難区域。2万1500人の全町民が避難した町に活気を取り戻す拠点となるよう期待される。

道の駅なみえ