リアリティ体感の「対面の場」 ててて商談会

 合同商品展示会「ててて商談会2021・3」(主催・合同会社ててて協働組合)が3月17~19日、東京・渋谷ストリームホールで開催され、選考を経た約100組の作り手が集まった。
 初参加での注目は3組。陶磁器メーカー、商社でデザイナーとして勤務後、昨年独立した小林俊介氏の「kobayashi pottery studio」は、同展に照準を絞ってカップやプレート類をならべた。ろくろ成形で、和紙に箔が施してあるような独特な質感をもった釉薬が魅力的だ。有田・渓山窯は柔らかい印象を求めて呉須を極限まで薄くし、麻の葉、七宝柄などを絵付けした、「mg&kg(もぐとこぐ)」を披露。秋田の陶芸家・田村一氏は、作品の残土を再利用し、石こう鋳込みで成形、泥しょうに押しつけ模様を写すなどした「on u」シリーズを発表した。
 常連の有田・今村製陶「JICON」は、新作の真鍮を組み合わせたろうそく立て、2サイズの丼、カップ&ソーサー「花かさね」を展開。カップはやや樽型、ソーサーは見込みが平でプレートとしても利用できるうえ、皿に刻まれている模様が、カップの滑り止めの役目を果たすという逸品だ。多治見・マサムラ クラフト(正村製陶所)は「ブラー」シリーズなどに新色を加えるなどし、兵庫・王子山陶器のプロダツ食器を展開するデザイン事務所は、丹羽立杭焼2窯元と協業した食器も披露した。このほか沖縄・育陶園器「kamany」、瀬戸・翠窯、大阪・バーズワーズ、多治見の陶芸家・宮木英至氏、九谷焼の製土メーカー谷口製土所のブランド「HANASAKA」など陶磁器類だけでもボリューム感満載。
 さらに漆器は、山中・我戸幹男商店、輪島キリモト、鯖江・ろくろ舎、会津・めぐるなど。高岡・すず器は、シマタニ昇龍工房、高辻製作所「キャスティン」、大寺幸八郎商店。これらに、木工食器類、加えて海洋廃棄物のプラゴミをアップサイクルした食器、福岡の工業用部品メーカーからは、シリコーンゴム製のコーヒーカップやマグ、プレート兼用のトレイなどのアイテムも披露された。バイヤーからは「2日間かけてじっくり見て回りたい」という声も聞かれた。
 主催メンバーは「社会では新たな生活に向けた意識の変化は想像を上回るスピードで起こっている。私達が向き合ってきた中量生産・手工業品のものづくりが持つ、繊細さ、質量や質感、作り手の熱意を伝えるには、オンラインでは充分ではなく、言葉にできないリアリティを体感するための『対面の場』の重要性を感じ、開催した」と話した。

ててて商談会