大堀相馬焼協同組合(福島県浪江町、小野田利治理事長)はこのほど、インターネット上に「大堀相馬焼バーチャル伝承館」(http://www.somayaki.or.jp/hall/index.html)をオープンした。
同組合の工房および展示・販売のための施設「なみえの技・なりわい館」(福島県浪江町)の3月オープンに先駆け、バーチャル上に開館したもの。サイトでは実際にその場にいるかのように施設内を見て回ることができ、展示・学習コーナー、販売コーナー、工房内のろくろ場、窯場の計4カ所に入室ができる。インフォメーションマークをクリックすると大堀相馬焼の歴史や技法が学べ、画面上でろくろを回す体験が可能なほか、販売コーナーからは通販サイトにリンク。ネットショッピングやZoom陶芸体験(予約・有料)が可能となっている。
2011年の東日本大震災および原発事故で、大堀相馬焼は活動拠点を失った。翌年福島県二本松市に仮設「陶芸の杜おおぼり二本松工房」を設けつつも浪江町内での拠点再開を目指してきた。17年には同町の一部で避難指示が解除されたが、大堀地区はいまだに避難区域として残っている。二本松工房は19年3月末に閉所。20年夏に復興シンボルとして「道の駅なみえ」が開業しており、同敷地内に組合施設が完成すれば、浪江に拠点が復活することになる。
大堀相馬焼バーチャル伝承館