クラウドファンディングで越前焼窯元を支援 さとふると越前町

     ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」の運営会社、さとふる(東京都中央区)と福井県越前町はこのほど、コロナ禍で活動継続が困難となっている越前焼窯元を支援するためのクラウドファンディングプロジェクトを開始し、3月15日まで寄付を受け付けている。
     越前焼産地では、毎年行われる陶器祭りなどのイベントが大きな収入源となっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大によりその多くが中止となってしまい、窯元などの業者にとって深刻な事態となっている。このような苦境を乗り越えようと越前町と15窯元が立ち上がり、「さとふるクラウドファンディング」によるプロジェクトを企画。「越前焼窯元を応援したい!コロナ禍乗り越え、伝統をつなぐ新しい力を!」と銘打ち、5千円の寄付から受け付け、目標額は100万円としている。1万円以上の支援者には、寄付額に応じた相当額の越前焼の福袋を返礼品として用意する。寄付金募集は、「さとふる」が業務提携するクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でも行っている。
     このプロジェクトを通して目指すのは、返礼品を通じて販促を行うこと、産地の魅力を国内外に発信することでファンやサポーターを増やすこと、集まった資金で産地の課題を解決することーの3点。特に産地の課題については、産地内の良質な粘土が残り少なくなっていることから、発掘するための調査費が必要だという。寄付金の使い方については「必要経費を除いた5割を、越前焼の振興や課題を解決する事業に活用する」としている。
     六古窯の一つとして知られる越前焼は850年もの歴史を誇る。伝統的には焼締めや灰釉など素朴な作風が特徴だが、近年は今のライフスタイルに合わせたデザイン性の高いものも生まれており、毎年催される「越前陶芸まつり」や「越前秋季陶芸祭」には県内外から多くの観光客が訪れる。2017年には「日本遺産」に認定された。