陶磁器発展の歴史を壮大に描く 映画「陶王子2万年の旅」公開中

     陶磁器発展の歴史を辿るドキュメンタリー映画「陶王子2万年の旅」が1月2日から、全国の映画館で公開されている。
     「陶王子」とは器の精霊として登場する陶製人形。映画はその「陶王子」の物語として、2万年前の土器の時代から、現代のファインセラミックスとして宇宙へ旅立つまでの歴史を壮大に描く。NHKと中国との国際共同制作で、2019年にNHKのBSプレミアムで初放送され、昨年1月には人形アニメーションなどを追加してNHKのBS4Kで放送。放送界で権威あるATP賞ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞した。
     監督はNHKスペシャル「新シルクロード」などを手掛けた柴田昌平氏。5年前に同氏がフランスの陶芸家から「陶磁器の歴史のドキュメンタリーを作ってほしい」と言われたのが制作のきっかけとなった。また、中国でリサーチを進める中、北京で磁器人形のアニメーションを作るアーティスト、耿雪(ゴンシュエ)氏と出会い「陶王子」のコンセプトが生まれた。
     ドキュメンタリーは、女優、のんさんが声を演じる陶王子のナビゲートで進行する。日本各地や中国を巡るほか、マイセンやセーヴルなども紹介される。陶王子は2時間弱のドラマの中で、土色の陶器から白い磁器へ、さらに絵付けされた状態に変身していく。粘土から土器が生まれる瞬間や、白い磁器が誕生するまでの陶工らの努力が、ドラマティックに描かれているのが印象的だ。上映映画館などの詳細は同映画公式サイト参照。

    陶王子2万年の旅 公式サイト