オフィシャルショップを立ち上げ 岡山県備前焼陶友会

 岡山県備前焼陶友会(備前市、長崎信行理事長)は8月10日、「備前焼陶友会オフィシャルショップ」(https://toyukai.thebase.in)を立ち上げた。約1カ月間のネットによる試験販売で、将来的には海外からの受注にも対応できる本格サイトの構築を目指す。
 備前焼もコロナ禍により、活動拠点である備前焼伝統産業会館が4月中旬~5月末にかけて休館し、また県内外の展示会の多くも中止に。さらに恒例となっている秋の備前焼祭りも中止と、緊急事態宣言下で売り上げは7割減、さらにコロナの収束が見通せないことから、陶友会は初めてのオンライン販売に挑戦することとなった。
 松井浩之市場開拓特別委員長は「4月の県外百貨店での個展を直前にした時期、作品のみ販売としたいとの連絡が入った。これまでの顧客との対面販売が難しくなる。ネット販売に踏み出すしかないとの思いに駆られた。利用の簡便さとランニングコストなどから5月にネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」に自身のネットショップを開設した」と話す。他産地のネットショップを研究、さらに自身の経験から今回試験販売のためのサイトを決めた。
 同ショップには金重晃介氏などの県重要無形文化財保持者や伝統工芸士を含む陶友会10作家と窯元やギャラリーなど5団体が参加。日用食器から、酒器、茶器、花器などのカテゴリーと作り手から検索可能で、価格は3000円台から20数万円までと幅広くラインアップする。
 9月22日まで試験販売を実施、売り上げデータの分析や運用方法、PR手段を検証する。今後も不定期に試験販売を重ね、2022年をめどに英語などの多言語に対応した本格サイトを設ける計画だ。
 松井委員長は「運用10日間で、15人ほどの購入があった。Facebook『on the BIZEN』と私のSNSを通じての告知が主で、まだBASE本来の利用層には届いていないのが課題。また本格サイト正式運用時に会メンバーのネットショプへリンクが可能となれば、国内外のギャラリーなどにもアピールしていけることを期待する」と述べる。

備前焼陶友会オフィシャルショップ