岐阜県現代陶芸美術館、「ひかり」テーマにコレクション展を開催

ボディル・マンツ 「Growing Weather」 2016年 岐阜県現代陶芸美術館蔵

 コレクション展「やきもののひかり」が、多治見市の岐阜県現代陶芸美術館で、11月4日まで開催されている。
 物を見る時、私たちはまず物理的な光を通して、その色や形などを知る。さらに光を通して感じ取る情報は、視覚だけでなく触覚など他の感覚にも訴えかける。「ザラザラしている」「艶やかだが、冷たそう」など、見ているだけで質感や温度など、さまざまな知覚が引き起こされる。やきものならば、例えば釉薬のガラス質で起こる光の反射や、磁器に光が透ける様子から、色や質感、重量感なども感じ取ることができる。
 同展では、やきものをめぐる「ひかり」という視点から、やきもの鑑賞の愉しみへと誘っている。
 自然光が入るギャラリーで開催されている同展。例えばボディル・マンツ作「Growing Weather」は、午前と西日の入る夕方では、異なった表情を見せる。筒形の磁器の内と外とに青い線模様が施されており、光が透けることにより、内と外をつなぐ複雑な陰影が作られる。さらに切り込みが入った部分には直接光が透過。作品の明確な輪郭線を揺るがせ、内も外も一体となった不思議な世界が作り出される。
 担当学芸員の林いづみ氏は、「時間帯や環境、あるいは見る人の気持ちによっても、やきものの見え方は変化します。ぜひゆっくり時間をとって、作品の『ひかり』を感じていただきたい」と話している。
 岐阜県では令和改元を記念し、今年度を通じ「改元」をテーマとした文化事業を展開している。新しい時代をきっかけに、新たな陶芸への視点を提案する同展は、この事業の一環として開催されている。

ワウター・ダム 「Yellow Shape」 2000年 岐阜県現代陶芸美術館蔵
前田昭博 「白瓷捻面取壺」 2000年 岐阜県現代陶芸美術館蔵