高麗美術館、「朝鮮王朝末期の輝き・語り継ぐ朝鮮の美」を開催

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「青花窓絵山水文壺」 19世紀末 高麗美術館所蔵

 「朝鮮王朝末期の輝き・語り継ぐ朝鮮の美」が、京都市北区の高麗美術館で、8月20日まで開催されている。
 朝鮮王朝は1392年から1910年まで、519年にわたり朝鮮半島を統治した王朝だ。高麗の武将だった李成桂を太祖とし、王朝の支配体制を確立する初期、日本や清の侵略を受けた動揺期、政治の安定期から世界の潮流が押し寄せた王朝後期へと、その長い歴史にはさまざまな局面があった。また文化の面でも、仏教を背景とする高麗の文化から、儒教精神に基づく精神性の高い文化へと変化が見られた。
 そして今回スポットが当てられるのが、朝鮮王朝末期の文化とその輝きだ。朝鮮王朝末期は上流階級の文化が、一般社会に広がりを見せた時代だったという。例えば、男性が持つ文房四宝などに見る道具の多様化、女性用の家具に見る色彩装飾など、より朝鮮らしい鮮やかな色彩を追求し、個性を生かそうとする流れが見られる。
 日本への併合により朝鮮王朝が滅亡する前後になると、日本の東京美術学校などに留学する学生もあり、近代化を進める日本と同様に、朝鮮の美術や工芸にも新しい風が吹くようになった。
 同展では近代以降の王朝文化継承の過程で生まれた書、工芸、絵画など約70点を展示。陶磁器では白磁に青花で雲龍文を施した壺に焦点を当て、朝鮮王朝時代らしい作品と、末期の辰砂なども用いた華やかな作品との比較展示も見ることができる。青花だけの作品も「青花窓絵山水文壺」のように、しっかりと絵付けされた印象だ。
 さらに2017年にユネスコ「世界の記憶」に登録された同美術館所蔵の「朝鮮通信使」資料も特別展示されている。