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「静嘉堂@丸の内」として新たにオープン 静嘉堂文庫美術館

 東京・世田谷にあった静嘉堂文庫美術館が今年10月、丸の内の明治生命館に移転し、「静嘉堂@丸の内」と名称も新たにオープンする。

 同館は三菱第2代社長で、三菱グループの礎を築いた岩﨑彌之助によって創設され、息子の岩﨑小彌太によって拡充された。丸の内は、かつて彌之助がその一角にミュージアムを造りたいと願った場所だ。父子二代で築いたコレクションは、和漢の古典籍約20万冊と、東洋の古美術品約6500件に及び、そのうち国宝7件、重要文化財84件が含まれている。新展示室は、古典主義様式の最高傑作として知られ、昭和期の建築では初めて重要文化財の指定を受けた明治生命館の1階に、当初の建築部分を生かして造られているという。陶磁器部門では、小彌太の時代に中国陶磁を系統的に集めており、1934年には、陶芸の至宝で茶道具の白眉とも称される、国宝「曜変天目(稲葉天目)」が所蔵品に加わった。

 10月1日から開催予定の企画展Ⅰ「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」では、所有する7件の国宝すべてを、前・後期に分けて公開。このほか、「付藻茄子」や「松本(紹鷗)茄子」などの希少な茶道具、琳派、刀剣など選りすぐりの名品を紹介するという。

静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
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